写経初心者必見!難読漢字を予習してスムーズに始める3ステップ

写経をやってみようと思ったとき、便利な写経セットが市販されていたり、寺院で体験できたりと、始めるための環境は意外と整っています。
「これなら気軽に始められそう」と思われるかもしれませんが、実際に取りかかってみると、思わぬところで手が止まってしまうこともあります。
写経をスムーズに進めるには、ちょっとした“事前の工夫”がとても大切なのです。
この記事では、写経初心者がつまずきやすい漢字に着目し、気持ちよく写経に入れるように、事前にできる準備を三つのステップでお伝えします。
ステップ1:般若心経全文に一度目をとおす

般若心経を写すとき、お手本はすべて漢字で書かれています。
沢山の字を書くとしたら、まるで学校の漢字の書き取りのように感じるかも知れませんが、これらの漢字は全体として仏教の教えを伝える「意味」をもっていて、ただ字が羅列しているわけではありません。
まずお経全文を一つの文章として眺めてみましょう。
般若心経は短いお経ですから、ざっと目を通すだけなら2分もかからないはずです。
読めなくても構いません。
ステップ2:難しい字を先に把握する

初心者がつまずきやすいことの一つが、経典にでてくる難しい漢字の存在です。
般若心経は全文270文字前後。
この大部分は日常でも使われる漢字なのですが、中には普段まず見かけないような難しい字もあります。
ステップ1でざっと目を通したら、その時に普段使わないような漢字がないか確認してください。
ここでは、管理人が般若心経の中から難しいと思われる漢字を、11個をとりだしてご紹介します。
日常ではあまり使われない漢字一覧
漢字・語句 | よみがな | 簡単な意味 |
---|---|---|
摩訶 | まか | 偉大な、非常にすぐれた |
菩薩 | ぼさつ | 仏の悟りを目指し、人々を救おうとする修行者 |
五蘊 | ごうん | 人の心と体を構成する五つの要素 |
菩提薩埵 | ぼだいさった | 菩薩の正式な音写(特に悟りを求める者の意) |
罣礙(または 掛礙) | けいげ | 心をとらえて妨げるもの、執着 |
顛倒 | てんどう | ものの見方が逆さまになること、誤った認識 |
涅槃 | ねはん | 煩悩が消えた状態、仏教の最終的な悟り |
阿耨多羅 | あのくたら | 最高の、他に及ぶものがない |
三藐三菩提 | さんみゃくさんぼだい | 完全な悟り、仏の知恵 |
羯諦 | ぎゃてい | 行け、進め |
菩提薩婆訶 | ぼじそわか(ぼだいさわか) | 悟りよ、成就せよ |
これらは管理人が思う難しい字です。
難しく感じる字はみなさんそれぞれ違うでしょうから、ご自分の感覚で選ばれるのがよいでしょう。
ステップ3:実際に書いてみる

ピックアップした字は、一度手をうごかして書いてみましょう。
見て理解したと思っても、実際に書こうとすると、細部が分からなかったりすることはよくあります。
たとえば、五蘊という字。
右の上、口の中は「人」なのですが、細かい上に”うん・おん”という発声も「恩」の字を思わせまぎらわしく、「大」なのかなと迷う人がいそうです。
薩という字も、右下は普通の「産」という字で良いのですが、「立」ではなく「文」のようにクロスして書かれることが多いので、このようなことを知っておくとスムーズです。
涅の右下は「土」です。
羯諦も細かくて、いきなり書くのは難しそうです。
とにかくちょっと見で難しそうな字を先にピックアップし、ノートの端に鉛筆でも構わないので一度大きくはっきり書いてみると、写経し始めてから余計なことに惑わされずに済みます。
写経、難解漢字の克服まとめ

写経は右から左へと、単に字を書き写す作業ではありません。
無心に、繰り返しおこなう「行」でもあります。
初心の内はあれもこれも不慣れで、精神的な事まで気が回らないかも知れません。
でもやがて、最初は難しく思えた漢字も、自然と馴染んでくるでしょう。
構えすぎず、自分のペースで続けることが何より大切です。
その為には、ほんの少しだけ準備すること。
難しい字をあらかじめ克服しておけば、初めての方でも安心して写経をスタートできるはずです。
是非、今回ご紹介したステップを参考になさって下さい。
そしてまずは気軽に一文字から、心静かな時間を楽しんでみてはいかかでしょうか。
参考資料
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