沢の鶴|酒のラベルの独り言
三百年のあいだ、米と向き合い続けてきた沢の鶴。
伊勢の古い縁起に志をあげ、純米造りを貫いてきたその名は、いま何を語りかけてくれるのか、そっと聴いてみましょう。
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沢の鶴ラベルの独り言|米を生かし、米を吟味し、米にこだわる
伊雑宮(いざわのみや)知っとるか。
あそこにはな、伊雑の沢で白い鶴が稲穂くわえて現れた、そないな古い縁起が残っとるんや。
その稲でな、やまとひめのみことが神さんに初めて酒を供えはったっちゅう話やで。
鳥が神さんにお供えするんや。そらもう、たいしたもんやろ。
ほんなら、わしらも負けとれへん。
ええ酒には、ええ米が要るんは昔から決まっとる。
うちの初代は米屋の生まれでな、米を見る目も扱う腕も、そら確かやったんや。
鶴さんが稲穂を運んだように、わしらも選りすぐりの米で、胸張れる酒を神さんにも、お客さんにもささげるんや。
それが「沢の鶴」という名に込めた、うちの心なんやで。
沢の鶴の基本データ
■ 産地と蔵元
- 蔵元名:沢の鶴株式会社
- 所在地:兵庫県神戸市灘区(灘五郷・西郷)
- 創業:1717年(享保二年)
- 創業者:(米屋〈米穀商〉として創業し、副業として酒造りを開始)
■ 名称・ラベル
- 「※」米印:米屋発祥の屋号に由来
- 酒名「沢の鶴」:伊勢の別宮・伊雑宮(いざわのみや)の縁起に基づく
- 鶴の羽ロゴ:現行のシンボルマークとして使用
■ 資料館
昔の酒蔵を活かした「沢の鶴資料館」は1978年公開。阪神大震災で全壊したが、1999年に全国初の免震構造で再建、酒造りの工程や道具を今に伝えている。
酒の心意気
花冷え、涼冷え、これらの美しい呼び名は、沢の鶴が酒と温度の関係を探り続けた証。
純米のうまさをそのままに度数を10.5度へ抑えた技術も、余計なものを足さず、生きた発酵を見つめることで生まれた。
米と麹と水だけ、あくまで純米にこだわりながら革新を成し遂げる。その心意気こそが沢の鶴の真骨頂である。
沢の鶴を楽しむ
沢の鶴の純米酒は、温度を少し変えるだけでまるで別の表情を見せる。雪冷えのシャープさ、日向燗のふくらみ──その変化は尽きない。
季節の移ろいや料理に合わせて温度を選べば、同じ一本でも毎日違う味わいに出会える。
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補足
- 伊雑宮(いざわのみや):伊勢神宮の別宮のひとつ。伊雑の沢に鎮座し、古い神話や縁起が伝わる。御祭神は天照大御神御魂 。
- 縁起(えんぎ):神社や寺の“成り立ち・由来”を記した伝承や物語のこと。元は仏教用語。
- 倭姫命(やまとひめのみこと):天照大神を伊勢へ導いたとされる皇女で、伊勢神宮の祭祀を整えた人物。
- 灘五郷(なだごきょう):神戸市と西宮市の海沿いで育まれ、室町・江戸の時代から続く“日本屈指の酒どころ”。兵西郷・御影郷・魚崎郷・西宮郷・今津郷の五つの地域を指す。
参考資料
・沢の鶴コーポレートサイト
https://www.sawanotsuru.co.jp/
・伊勢神宮(伊雑宮)公式サイト
https://www.isejingu.or.jp/about/outerbetsugu/
・灘五郷酒造組合
https://www.nadagogo.ne.jp/
