ボジョレーワイン|酒のラベルの独り言
ボジョレーの季節が来ると、ワインのラベルたちがにぎやかに語り出します。
その声に耳を澄まし、同じガメイから生まれた三つの世界を覗いてみましょう。
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ヌーヴォーラベル達の独り言|いま、この瞬間を味わってほしい
やあ、お嬢さん。僕はボジョレー・ヌーヴォー!
今日という日にお会いできて、とても光栄です。
ヌーヴォーっていうのはね、“新酒”という意味なんです。
僕は出来立てほやほや、普通の赤ワインみたいに長く漬け込んでいない、作り方からして特別なワインなんですよ。
フレッシュで、今がいちばん飲み頃なんです。
あっ、ちょっと待ってくださいね。
僕には一緒に国を出てきた兄弟分がいるんです。紹介しなくちゃ。
彼はこだわり屋だから、お嬢さんに会うために“めかし込んでいる”みたい。
おーい、ヴィラージュ!お嬢さんが待ってるよ!
ボンソワール、マドモアゼル。さあ、この薔薇をどうぞ。
私はヴィラージュ・ヌーヴォーです。
香りがほんの少し、ボジョレー・ヌーヴォー君より落ち着いていると言われます。
もちろん同じ“新酒”ですよ。
彼より少し北の土地から、あなたのことを想う一心で駆け付けました。
もし沢山のヌーヴォー兄弟たちの中から私を特にご指名なら、ラベルに“ヴィラージュ”と書いてありますから、そこで見分けていただけるといいでしょう。
恋がアツアツのうちがいちばん甘いように、私たちヌーヴォーが一番輝けるのは、ほんの短い季節だけです。
薔薇をあなたの髪に、いや胸に飾ってください。
私たちはクリスマスくらいまでしか一緒にいられない。
だから、今夜あなたと私は、運命の出会いをしたということなのです。
ノン、ノン!ヴィラージュ。そんなふうに言ったら、お嬢さんが気にするじゃないか。
お嬢さん、心配は要りません。恋は何度だってできるでしょう?
ヌーヴォーの僕達がいなくなっても、ガメイの血を分けたボジョレーの兄弟たちはずっとあなたを待っています。
僕には、新酒の道を選ばなかった元気な兄弟たちがたくさんいるし、ちょっとこだわり屋のヴィラージュにも兄弟は大勢いる。
みんな僕たちとは違う支度をしてお嬢さんに会える日を待っているはずです。
そうだ、そして、ボジョレーの丘の上には “クリュの十兄弟”もいるんです。
彼らのことも知ってもらわなきゃ。
彼らは、あなたのスペシャルな日まで何年もじっくり待てる性格なんですよ。
すぐに出てこない分、いざ出てきたときには、最高の演出をしてくれるつもりなんじゃないかな。
これだけ全部がボジョレーの兄弟たち、ボジョレーワインなんです。
さて、お嬢さん。
僕は包み隠さず兄弟たちを紹介しました。
抜け駆けなんて野暮なことはしない主義なんです。
ただね、
兄弟多しといえどもですよ。
“今夜すぐにあなたとご一緒できる”のは、僕たちヌーヴォーだけ。
軽やかに楽しみたいなら僕ボジョレー・ヌーヴォーを、
少し落ち着いた香りを添えたいなら彼、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーを。
(あれ?でも彼はまたおめかしに行ったようですよ。いないんなら仕方ないですよね)
ああ、僕は今夜のあなたの食卓に、是非お呼ばれしたいなあ!
ボジョレーワインの基本データ
ボジョレー地方のワインは、大きく分けて3つのAOCに分類される。
① AOCボジョレー(Beaujolais)
• ボジョレー地域の中で最も広い範囲をカバーするAOC
• 軽やかでフレッシュな味わいが特徴
• ボジョレー・ヌーヴォーの多くはここから生まれる
•日常的に楽しめる親しみやすいスタイル
•価格の目安:だいたい 1,000〜2,000円台 が中心。ヌーヴォーもこの価格帯に多い。
② AOCボジョレー・ヴィラージュ(Beaujolais-Villages)
• ボジョレーの中でも 北部の恵まれた村(ヴィラージュ) に限定されたAOC
• AOCボジョレーよりも、香りや味わいが少しだけ上品で凝縮感がある
• ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー もここから生まれる
•「Villages」の文字がラベルに入るのが目印
•価格の目安:だいたい 1,500〜3,000円台。同じヌーヴォーでも、ボジョレーより少し高めになる傾向。
③ クリュ・デュ・ボジョレー(Cru du Beaujolais)
•ボジョレーの最上位に位置する10の特級畑(クリュ)
•それぞれ個性があり、熟成にも耐える
•ヌーヴォーは造られない
•価格の目安:だいたい 2,000〜5,000円台。造り手やクリュによっては 1万円を超えるものもある。
酒の心意気
ボジョレーは若々しい果実味が魅力、気軽な食事や普段の夜にそのまま楽しめる。
一方ヴィラージュは香りに落ち着きがあり、ちょっと丁寧に料理を用意したい日や、ゆっくり味わいたい時間に向いている。
クリュは十の産地それぞれに個性がある。若いうちから楽しめるものもあれば、数年の熟成で表情が大きく変わるものも多く、いわゆる「化ける」ワインである。特別な食事にはもちろん、静かな夜にじっくり味わうのもいいだろう。
それぞれの個性が、日常から特別な夜までさまざまな場面を受け止めてくれる。
この懐の広さこそが、ボジョレーワインの心意気である。
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補足
- ガメイ(Gamay):ボジョレーの主要品種。軽やかでみずみずしい果実味が特徴の黒ブドウ。
AOC(エー・オー・セー):フランスの原産地呼称制度。産地や造り方の基準を満たしたワインだけが名乗れる“品質のお墨付き”。
クリュ(Cru):特に優れた畑や産地を指す言葉。ボジョレーでは“十の特級産地”のこと。
ヴィラージュ(Villages):「村々」という意味。ボジョレーの中でも、より条件の良い北部の村で造られたワインにつく名前。
ヌーヴォー(Nouveau):“新しい”という意味。収穫した年のうちに造られるフレッシュな新酒。
